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診察室
TOKYO EKIMAE

急速拡大・インビザライン

主訴

前歯のクロスバイトと咬み合わせ

治療の目安

2年間

治療費

94万円(税込・治療当時の費用です)

方針

前歯のクロスバイト(本来外側に位置する上顎の歯が内側に転位してる状態)であり、下顎の歯列が著しく内側に倒れています。また、横から見たときに上下前歯の先端がほぼ同じ位置にあり、下顎が前方に位置していることが分かります。

下顎の歯列を拡大し、その歯列が上顎の歯列の中に収まるようにする必要があるため、上顎骨を側方に拡大することとしました。

上顎正中は左右二つの骨が合わさる部分であり、20歳前辺りで癒合します。小児では歯に側方拡大の力をかけることで、容易に骨を拡大させることができますが、成人は同じ方法で癒合部を剥離させることができません。そのため、骨内に入れるミニスクリューを併用する急速拡大装置(MARPE:Mini-screw Assisted Rapid Palatal Expander)を使用し、歯列を拡大させます。

急速拡大を行うと、上顎正中にスペースができ、奥歯の咬み合わせが大きく乱れるため、拡大後1~2ヶ月ほど待機し、正中のスペースと咬み合わせが落ち着いたタイミングでインビザラインを製作するための型どりを行うこととしました。

経過

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① 初診時

上顎は左右ともに第二小臼歯が欠損しており、歯列が非常に小さい様子が分かります。
下顎の歯列は、何とか上顎の歯列に収まろうとしたため、奥歯の舌側への傾斜が顕著であることが分かります。
横から見ると、上下の歯肉が同じ位置にあり、正面から見ると、右側(向かって左側)の前歯がクロスバイトになっている様子が分かります。

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② 急速拡大装置装着

上顎に、急速拡大装置(MARPE)が装着されています。
カ行とガ行を話すときに、舌の側面が上顎奥歯に当たるのですが、その位置にワイヤーが通るため、発音しにくい時期となります。

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③ 急速拡大完了

急速拡大により上顎前歯に隙間ができている様子が分かります。
発音しにくい原因であったワイヤーは外しますが、アンカースクリューと拡大装置は、骨の位置が戻ることを防ぐために留置させておきます。

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④ インビザライン型どり

急速拡大完了から1ヶ月ほどし、前歯のスペースが小さくなってきたため、拡大装置を外してインビザラインの型どりを行いました。
骨が開いた部分には、まだ新しい骨ができていないため、インビザラインのマウスピースが到着するまでの間、保定装置としてのマウスピースを装着していただきます。

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⑤ 終了時

無事に終了しました。
舌側に倒れ込んでいた下顎の奥歯が起き上がり、整った歯列となっていることが分かります。

を終えて

急速拡大装置は、顎の骨を切るような外科矯正以外で、骨格にアプローチできる数少ない治療手段です。

装置の煩わしさや、隙間ができてしまうことへの抵抗感はあると思いますが、上顎骨の幅が狭いことで歯列不正や咬み合わせに問題のある方には、骨格という最大の問題を解決できるため、大変有用な方法です。

装置がついている1~2ヶ月の間は辛い期間となりますが、治療期間は短縮となりますし、仕上がりについては、未使用の場合と比べて雲泥の差となります。

治療期間:2年1ヶ月